日弁連 夏期研修
昨日今日と二日間に亘り、毎年恒例の日弁連主催の夏期研修@広島弁護士会館を受講してきました。
会場は昨年できたばかりの広島弁護士会館。地上6階建の大変綺麗な建物で、エントランスには巨大な弁護士バッジが(^^)
さて、肝心の本年度の研修テーマは
1 弁護士業務に関わる税務
2 中小企業の事業承継の基礎と今日的課題
3 主に被疑者段階における接見の注意点
4 民事立証技術
それぞれ実務に直結するテーマで大変勉強になりましたが、特に1コマ目と4コマ目は日々の業務にすぐにでも活用できそうです。
遺産相続や離婚に伴う財産分与・慰謝料請求などでは、相続税・贈与税等の税負担の有無や税額まで考えて手続を進めないと依頼者の真の経済的利益を損なうおそれがあります。
そのため、弁護士も税務に関する知識のフォローは不可欠なのですが、実際まとまった講義という形で勉強することは少ないので、1コマ目の講義は大変役に立ちました。
また、4コマ目は、元裁判官で、多数の著作があり実務法曹の間では有名な加藤新太郎先生が、裁判官の視点から、訴訟類型ごとに望ましい立証活動や証拠に接したときの裁判官の思考パターン・心証等につき解説していただきました。
一般の方は裁判では難しい法律の議論を延々と戦わせているとお思いかもしれませんが、実際には証拠(書類や証人・本人の尋問)による立証活動、それに基づく事実認定が主戦場になることが圧倒的多数です。
しかし、普通の人は日々裁判に備えて準備している訳ではないので、本来あるべき書類を作らずに口約束で契約を済ませていたり、折角作った書類を紛失していたりして、必要十分な証拠が揃っていることはまれです。
弁護士は、限られた手持の証拠でいかに裁判官を説得し、依頼者さんに有利な事実認定を導き出すかということに日々頭を悩ませており、またそれこそが弁護士の腕の見せ所でもあります。
今回は立証活動について、判断権者である裁判官の側の考えを知る大変貴重な機会となりました。
激動の時代に対応するため法改正はますますスピードアップしており、弁護士に要求される知識・スキルも凄まじいスピードで変化しています。今後も時代に取り残されぬよう、日々研鑽を積んでいきたいと思います。